「おとうと」2010/02/20 19:22:04

2010年2月18日(木)/福井コロナワールド
★★★★☆(★4つで満点)
製作:2010年度
監督:山田洋次
脚本:山田洋次/平松恵美子
出演:吉永小百合/笑福亭鶴瓶/蒼井優/加瀬亮/小林稔侍/森本レオ/茅島成美/ラサール石井/佐藤蛾次郎/池乃めだか/田中壮太郎/キムラ緑子/笹野高史/小日向文世/横山あきお/近藤公園/石田ゆり子/加藤治子
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山田洋次監督は、その時代時代のこの社会を描くのに希有な監督だと思う。

一口に社会と言ってもその顕わす容貌は様々だ。
若い顔も衰えた顔も、強い面も弱い面も、華美な装いも貧しさの滲み出る場所も、人の気持ちの温かさが見える所も、それが見えない所も、ある。

映画は、特にいわゆる商業映画は、その若く、華美な面を描きがちだ。
その中でドラマを繰り広げ、描いてゆく。
一方で、そうではない、辛く苦しい中にあるドラマを、掬うように描いてゆく映画もある。

山田洋次監督の作品はその中で、
賑やかで華美な社会も、そうではないけれどそれなりに充ちている生活も、そして、ギリギリではあるけれど何とか踏みこたえて生きてゆこうとしている人々も、みなが地続きであること、一つの社会であることを、声高に叫ぶことなく描いてくれる。
それでも確かに、そのスタンスがどこにあるかは明らかで、それ故にか、娘の結婚相手の描き方は一面的にも見えるけれども、
その分、ギリギリのところで踏ん張っている人たちを観る目は温かい。

何の飾り気もない民間ホスピスの建物の中で、ハープの音色一つで、あれだけの温かさを感じさせる美しいシーンを作ってしまう映画監督を、少なくとも日本の中で、私はこの監督以外に知らない。

スクリーンの中の人たちに、色々な生を観、色んな思いを感じ、
ここにも私と同じように感じている人がいるんだ、と、
そう思った時に、人はその映画に、温かい思いを抱くのだろう。
スクリーンの中の誰に、どこに、それを感じるかは人それぞれだとしても。

それこそが、映画の豊かさ、というものだと思う。


×  ×  ×  ×  ×

吉永小百合の映画をそんなに観ている訳でもないけれども、彼女の少女時代の作品以外で、
吉永小百合って綺麗なんだ、と思ったのは、
この映画が初めてだ。

「鋼の錬金術師」2010/02/28 23:07:45

おおっ!!
いきなり、次回からついにヤマ場突入!!
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