「ザ・コーヴ」上映中止!?2010/06/04 03:01:31

これはいけない。
私は、恐らく、この映画の内容には絶対反対だと思うが、上映中止は良くない。

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100604k0000m040128000c.html

それよりも、もっと皆でこの映画を観て、彼らの主張のいい加減さを広めるべきだ。

「ザ・コーヴ」上映妨害問題2010/06/05 01:51:42

http://mainichi.jp/select/today/news/20100605k0000m040090000c.html

こんなに簡単に自分たちの気に入らない映画の上映を止められるとなれば、彼らは味をしめて今後、更に増長するでしょう。

レンタルで観られるからいい、と思う人もいるかもしれませんが、今回が「靖国」の時と違うのは、興行会社の関係者の自宅へ嫌がらせをしていることです。

TSUTAYAやGEOの関係者の自宅へ嫌がらせを行えばレンタルへの配給も止められかねません。

今はどんな考えでもネットで意見表明をすることが出来るし、街宣活動をおこなうくらいの行動力があるならばビラ配りやデモ活動など、出来ることはいくらでもあるはず。
彼らのやっていることは、自分たちの気に入らないものは理屈抜きで排除するというただの我が儘。卑劣漢です。
こんな輩が自分たちのことを「愛国者」だなどと自称しているのでは、この「国」も泣いていることでしょう。

「ザ・コーヴ」を上映して、そこに監督を呼んで、映画の内容を元にその場で観客と議論させれば、「捕鯨反対運動」の出鱈目さを逆に発信出来るのに。
そんなことも考えられないタワケ者たちです。

今どき、「アカ」呼ばわり?2010/06/06 22:36:14

テレビでちょっと見かけただけなので私の勘違いかもしれませんが、今日の『たかじんのそこまで言って委員会』での辛坊治郎氏の発言。

「ソ連が崩壊してマルクス経済の旗を隠した学者連中が菅首相の回りにはたくさんいますから(要旨)」

何か、だから何? と言うような話ですが・・・。
まさか今どき、(市民運動から出てきた菅首相ということで)「アカ」呼ばわりなんでしょうか?

以前は人権とか平和という事を話す人たちに対して、「アカ」というレッテルを貼って社会的に抹殺しようとする人たちが大勢いましたが、ーーだったら人権尊重を政治体制の基本にしている欧米諸国は「アカ」(共産主義)なのか、ということになりますがーーまだ、そんなことを言う人が、しかも日本一の大新聞の解説委員(今は読売テレビの解説委員なのかな?)にいるとは。

それに全うに学問している人なら、マルクス経済学による資本主義分析の効用とソ連陣営の崩壊とは別物なことくらい常識だと思うのですが。

外でテレビをチラと見ていた5分ほどの間だったのですが、久しぶりに聞く言い分に、懐かしいやら(笑)、唖然としてしまいました。

「ザ・コーヴ」上映館2010/06/22 02:12:21

miniparaのサイトに、各上映館の方のコメントが載っています。

「上映を決定した理由としては、上映依頼があり、観たいというお客様がいらっしゃるということ、それ以上他にありません。」

たかが映画、されど映画。
という言葉を思い出しました。

http://ap.minipara.com/news/archives/1342

「時をかける少女」(2010)2010/06/23 02:41:05

2010年6月22日(火)/メトロ劇場
★★★★☆(★4つで満点)
製作:2010年度
監督:谷口正晃
脚本:管野友恵
出演:仲里依紗/中尾明慶/安田成美/青木崇高/石橋杏奈/勝村政信/石丸幹二
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思いっ切り、ネタバレありです。







大林監督版で、深町に記憶を消された和子は、それでも心のどこかに残った、自分でも分からない何かに突き動かされて薬学部への道を歩む。そして何年か後、それとは知らぬままに大学の通路で深町とすれ違うラスト・シーンに騒めきを感じさせて、映画は終わる。
例え記憶は消されても、共に過ごした時間は必ず、和子を変えている。「思い」は必ず残っていて人を動かすのだ、ということが、観る者を感動させる。

谷口監督の新作は、前作へのオマージュが感じられる佳い作品だ。主役を演じる仲里依紗も新鮮でいい。
だが、大きく残念なのは、大林監督版にあった感動が欠けてしまった、或いは著しく弱まってしまった点だ。

あかりは深町に記憶を消される。だが、深町がポケットに残した涼太の8ミリ映画を観て、自分でも分からぬままに深く涙を流す。
だがそれは、それまでで終わってしまう。あかりの中に残っている筈の何かが、これからのあかりに何かをもたらすかも知れない、という騒めきは、そこに見られない。
8ミリ映画のラストで去ってゆく後ろ姿だった桜並木を、逆に真っ正面から、元気に歩いてくるあかりを映すラスト・シーンに、谷口監督はその思いを込めたのかもしれない。だが私には、これではあかりが過ごした時間が、単に思い出にしかならない(記憶には残っていないのだから思い出にもならないのだが)ように思えて物足りなかった。

この映画は、あかりが薬学部に合格するところから始まる。だが、その必要は無いのでは無いか。
映画が始まる時を1年早めて、あかりが進路に悩んでいる、これからどう生きようか迷っている高校2年の3月にすればいい。
そして、涼太たちと多くの時間を過ごした後、その記憶が消されてしまったとしても、ポケットに残っていた8ミリ映画を観て、自分でも分からない何かを、あかりは感じる。
それを知るために、あかりは映像関係の学部を選ぶのだ。
自分でも知らぬうちに、涼太と過ごした時間があかりを突き動かすように。
和子が薬学部を目指したように。
そして、テーマ曲「ノスタルジア」が流れるバックに映し出される、映像学部の講義、実習でのあかりの姿。その時の講師が大林監督だったりしたら、きっと私は泣いていたよ。

P.S.
涼太の部屋に「未来惑星ザルドス」のチラシが貼ってあったのにも驚いたが、映画研究会の部室のシーンだったか、「ルパン三世 念力珍作戦」のポスターが貼ってあったのには驚いた。こんなこと言っては失礼だが、映画ファンといえども恐らく誰の記憶にも残っていなかろうこの作品のポスターが貼ってあるとは! 大学時代、この映画を肴に映画サークルの友人と盛り上がったのを思い出す。M君、今どうしているのかなあ。

「ヒーローショー」絶対観るべし!!!2010/06/26 16:00:29

2010年6月18日(金)/金沢ユナイテッドシネマ
★★★★★(★5つで満点)
製作:2010年度
監督:井筒和幸
脚本:吉田康弘/羽原大介/井筒和幸
出演:仲里依紗/中尾明慶/安田成美/青木崇高/石橋杏奈/勝村政信/石丸幹二
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「告白」は確かに面白いです。暗澹たるドラマ、意表をつくカメラワークと演出。松たか子の演技もゾッとするほどです。内容と興行成績がちゃんと合致している作品だと思います。
ですが、その上で、今のところ、”今年の映画ナンバーワンはどれか”と訊かれれば、”今、観るべき1本はどれか”と訊かれれば、私は躊躇わずに「ヒーローショー」を推します。

「ヒーローショー」の井筒和幸監督は前作「パッチギ!」「パッチギ!LOVE&PEACE」で、日本社会のタブーである在日問題に斬り込みながらエンターテイメントとしても成立した傑作をものしました。
そしてこの「ヒーローショー」では、まだ「在日問題」というような名さえ与えられていない、今の社会に蔓延している鬱屈した空気を、若者を通して取り上げています。

映画の中で、彼らは何度も激しい暴力を振るいます。そして、その暴力と感情の連鎖の中でどんどんがんじがらめになってゆきます。そして、その出口は、どこを見回しても見つからないのです。

優れた傑作(敢えて重複表現)を観ると、作者が返り血を浴びながらテーマに肉薄していることが、スクリーンから伝わってくることがあります。
映画を観ているつもりが、カメラと一緒になってスクリーンの中の場に居合わせているほどに感じてしまう、そんな感覚です。

本当はもっと何か別の道がどこかにあるはずなのに、この道しかない。
追い詰められて辿り着いたラスト・シーンは、希望があるのか、或いは絶望がやってくるのか、全く分からない、ラスト・シーンです。

何も解決していない。けれど今は、取り敢えずその場にいて、そうしているしかない----、そんなラスト・シーンです。

しかし、それこそが、そうだよ、俺はそこにいるんだ。俺も今、そこにいるんだよ! と感じさせてくれる、シーンなのではないか。それこそが、人の心に残る、傑作なのではないか、そう思います。

前作までにあったエンターテイメント性は、この作品にはありません。「今」の中からこのドラマを掬い上げてゆくことで手一杯であり、それで十分だと考えたのかもしれません。確かに、エンターテイメント性などなくとも、一旦このスクリーンを観たら、最後まで観ずにはいられない、その力強さがこの映画にはあります。


「ヒーローショー」と同じようなものを、つい最近、韓国映画「息もできない」に感じていました。主人公のヤクザと女子高生の、あの眼差し。それを観ただけで、あの映画の何かが、分かってしまう、やはり暴力に充ちた映画です。
「ヒーローショー」と「息もできない」。前後して現れた、この日韓の「今」を描こうとした2本の映画は、どちらも暴力を大きなテーマとして抱えています。

今の時点での今年の私のベスト3は、
「ヒーローショー」「息もできない」「泣きながら生きて」です。
「告白」は傑作ですが、「今」を描こうとするこの3本の気迫の前には、その面白さの前には、大きく及びません。

★   ★   ★   ★   ★   ★
この「ヒーローショー」を、
福井コロナワールドで、今日(6月26日)から上映しています!
是非、観に行って下さい!!!
「告白」は勿論、観に行っていい。けれど、「ヒーローショー」が誰の目にも触れられずに終わってしまうようなことは、あってはいけません!!
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