〈終わりと始まり〉唯一可能な「誠意」とは2012/09/09 22:43:56

朝日新聞2012年9月5日刊より

〈終わりと始まり〉唯一可能な「誠意」とは 
■池澤夏樹(作家)

(前略)
 東電と国は自分たちでどうしようもない災害を引き起こしてしまった。福島県の衰退、多くの人たちの生活基盤の破壊、失われた未来、この先ずっと放射能に脅(おび)えて暮らす不安。そういうことをあなたたちはどうすることもできない。覆水は盆に返らない。
 それならば、せめて同じような事故が決して起こらないよう、すべての原発を調査し、危険率の高いものから速やかに廃炉の手続きを進め、代替エネルギーの開発に力を尽くし、可能なかぎり早く原子力と手を切る算段をすべきではないのか。

 それがあなたがたに可能な唯一の誠意ある態度ではないのか。

天然放射能と人口放射能とは違う2012/09/10 01:31:15

埼玉大学名誉教授・市川定夫氏(放射線遺伝学)の講義。
原発由来の放射能と、自然由来の放射能を同列に並べ比較する原発推進派のウソが分かります。

http://www.youtube.com/watch?v=gjbwiKNlULc

新しいiPod touchに思うこと2012/09/14 00:36:28

12日深夜のAppleのイベントで一番重要だったのは、iPhone5ではなく、新しいiPod touchのような気がします。ニコニコ動画で、LIVEでイベント模様を紹介していた司会の女性は、iPod touchの紹介でiPhone5が霞んでしまった気がする、と言っていましたが、私もそう感じました。

ジョブズ復帰後のAppleの凄さは、社会のこれから流れて行く(べき)先を考え、そのための商品やサービスに先手先手を打ってゆけるところにあると思います。
その第一歩が、カラフルなおむすびiMac(笑)での3.5inchFDDの廃止とUSBの採用でした。
そして、
パソコンのあるべき姿としてのデスクトップPCからノートPCへの移行、
音楽のあるべき姿としてのiPod&iTunesの発表、
携帯電話のあるべき姿としてのiPhone、
更に、パソコンという枠をも超えた携帯端末としてのあるべき姿としてのiPad、
とその快進撃は続いています。

新しい商品やサービスへの進出が、これまでのドル箱の商品、市場を侵食することもあるでしょう。
3.5inchFDDの廃止とUSBの採用は当時としては英断と言うべきでしょうし、iPadの市場はノートパソコンのMacBookと直にぶつかるものです。

成功を収めている商品や市場を犠牲にする危険を犯して新たな商品・市場に着手することは、なかなか出来ることではありません。日本のパソコンメーカーの多くが現在抱えてるパソコン市場に囚われ、タブレット端末についてはiPadの後をヨタヨタと追い掛けているに過ぎない状況を見れば、Appleが行っていることの凄さを改めて感じます。
例え今の商品、市場を失っても、社会の行くべき先が分かっており、そこに向けて必要な商品、市場を作って行けば、失ったものを上回るものを得る事が出来る。Appleがやっていることはその見事なまでのお手本です。

で、iPod touchです。
siriが使えるということは、マイクもスピーカーも備えている。
LINEなどで通話をするに際して、従来のようにヘッドセットを必要とすることがない。
これはスマホも含めた携帯電話の先を見た商品と思いました。

現在の携帯電話、スマホはどれも携帯通信会社に縛られています。海外ではSIMフリーの端末も流通しているようですが、それもどこかの携帯通信会社と契約して使用することを前提にしています。
携帯電話の通話料、通信料は、携帯通信会社間の競争が在るにも関わらず高止まりしたままです。まるでカルテルでも存在するかのように。

それに対してLINEやViber、050plusなど、インターネット回線を使用した、無料、定額の通話サービスも台頭してきています。今はまだ品質的に劣っていますが、固定電話においてIP電話やひかり電話の品質が今では遜色ないものになっており、それらへの移行が普通になってきているように、携帯電話においても、インターネット回線を使用したIP電話の品質改善とそれへの移行は時間の問題でしょう。そうなれば現在の携帯通信回線による通話サービスの未来は、今の固定電話と同じかもしれません。

固定電話でのIP電話も050plusも、どちらも050で始まり区別が付かないように、通話サービスも、固定も携帯も関係なく、インターネットを介したコミュニケーションの一部になる。
そしてそのための、現在の携帯電話やスマホの先にあるべき姿としての、インターネット・コミュニケーション・ツールとしてAppleが打ち出してきたのが、今回の新しいiPod touchではないかと思うのです。

考えて見れば、最初から携帯通信会社に関係なくインターネット・コミュニケーション・ツールとして使用出来る端末商品というのは、AppleのiPod touchしかないのです。

福島原発は今も最大の危機の只中にある2012/09/16 23:32:02

元外交官の村田光平氏の寄稿です。
4号機の核燃料棒プールについては、これが実は一番危ない、という情報が散見されていますが、その危険の大きさと切実さを指摘するものです。
この中でも、その危機に対して無知で対策を取ろうとしない東京電力の全く変わっていない体質が表れています。

Web現代ビジネス
『脱原発を訴える「反骨の外交官」が緊急寄稿!
村田光平「新たな一大汚染の危機と国・東電の無策ぶり」』

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33518

一千隻の中国漁船はどこへ行ったか?2012/09/29 03:51:45

私たちは感情に流れやすく、本来なら当り前のことを、そう思えなくなってしまう。
そのことに改めて気付き、ゾッとしました。一千隻という中国漁船団の映像を見た時よりも。

朝日新聞の「きょうのテレビ」面に「キュー」というコラムがあります。
9月25日付けのその欄に、島崎今日子氏というライターが書いていたこと。

「五星紅旗をはためかせた一千隻の船が出航する映像を見た時は、ぞっとした。えっ、これが全部、尖閣諸島に向かうのか。(中略)これでは戦争になっちゃうかも。(中略)不安が突き上げてきた。だが、9月18日付の朝日新聞夕刊を読んで、冷静になれた。沖縄県石垣市にある八重山漁協の上原亀一組合長が、この映像に対して、「中国漁船が攻めてくるかのようなイメージを流すのは、日中ともにやめてもらいたい。大半の船は禁漁期が明けたので出漁しているだけだ。毎年の光景なのに」とコメントを寄せていたからである。
 反日デモに参加しているのがごく一部の中国人でしかないことはわかっていても、火が放たれ、物が壊される様子を見ると胸はザワつくものである。ある部分をクローズアップして表現すれば、それがすべてのように視聴者には届いてしまう。(中略)
 私が見た限りでは、テレビで「一千隻の漁船の出航は毎年の風景だ」ときちんと指摘した番組はなかった。報道番組でも、さる専門家は「尖閣諸島に向かった数隻以外の、他の漁船がどこに向かったのかはわかりません」と無責任に言って、勉強不足を露呈していた。
 専門家と呼ばれる人たちの情報が決して正しくないこと、あるいは意図的にゆがめられることもあることは福島原発事故で苦い経験として学んだことだ。クローズアップが過ぎればフレームアップ(でっちあげ)になる。われわれ自身が情報を精査していくしかないことに深いため息が漏れる。」

メディアの隅っこに表れている情報がいかに大切か、改めて感じます。
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