盗っ人たけだけしい、とはこういうこと2008/12/28 02:48:28

中日新聞の調べに依れば、
今、派遣、契約社員切りを行っているキャノンやトヨタなど、大手製造業主要16社の内部留保は、2001年度末に比べ2倍の33兆円になっているそうだ。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008122490030218.html

これは、どのようにして2倍にまで溜め込まれたものか?

法人税の税率を下げさせ、
以前は専門職にしか認めていなかった人材派遣を自由化させて、労働者を安い賃金で自由に働かせるようにした、その結果だ。

法人税率を下げた時に、政府(自民党、公明党)は何と言ったか?
曰く、企業の活動を活発化させ、利益を上げさせることで、そこから雫が垂れるように(トリクルダウン)国民の所得も増える。

人材派遣を自由化させた時に、政府(自民党・公明党)、財界は何と言ったか?
曰く、自由な働き方を求める人が多く、人材派遣社員を増やすことは労働者のニーズにも合致したことだ。

だが、実際はどうだったか?

バブル崩壊後の不況から脱し、企業が史上空前の利益を上げても、労働者の賃金にはそれは殆ど反映されることはなかった。
挙げ句の果てに今回の大不況に突入すると、そうして溜め込んだ巨額の利益は内部留保や株主配当に温存し、社員への雇用を守ることには使われることなく、まるで原材料のコストを切るように社員切りを進めている。

一体どこに、「雫は垂れてきた」のか? 「垂れている」のか?

そうして切られた派遣社員は住む所も奪われ、寒空の下に放り出されている。幼子を抱えた若い夫婦の姿もあるそうだ。実際、私の職場にいた派遣社員の女性に聞くと、子供がいて、夫も契約社員で働いている、という人がいた。彼(女)は今、どうしているだろうか。
彼(女)が今、求めているのはただ、仕事が欲しい、住む所が欲しい、ということだ。
人材派遣業は、自由な働き方を求める労働者に応える為に自由化したのではなかったのか?

今、寒空に凍えている、雇用の不安に怯えている彼(女)たちの一体どこに、そんな労働者がいるというのか?

麻生総理は記者会見で言った。この不況から国民を守る為に、雇用を守る為になら何でもやる、と。
ならば、この年末に向け、住む所も奪われた彼(女)らのために具体的に何をしているのか?
ボランティア組織が手弁当で相談を受け付け、何とかしようとしていると言うのに、政府や行政は何をしているのか?
国会議員は、年末年始を休んでいる場合なのか?

「倫理性を欠いた際限のない蓄財は、貪欲や拝金主義として退けなければならない。」
「自己中心的な自由と気楽さのみを追求する風潮が、人と人との触れ合いを減少させ、人間関係を薄れさせている。(中略)これを打開するには、弱者への 
思いやりや社会への貢献など、ひとびとの協調的行動を促す、開放的・横断的な絆を再生・創出していく必要がある。」
「一部には、経団連は、経済界の利益のみを追い求め、その主張は企業エゴに偏っているとの見方があるが、全く謬見であると言わざるをえない。経団連が、企業活動の活性化を訴えるのは、それが経済の発展、ひいては雇用の拡大や税収の増大、輸出入の増加など内外社会の繁栄に資すると確信するから 
である。」

これらの文言は、キャノン社長の御手洗氏が現会長を務める経団連が2007年に発表した、通称「御手洗ビジョン」の一節だ。

いかに、今の企業が口先と実際の行動とが正反対かが分かる。

社員を路頭に迷わせて内部留保を溜め込み、株主配当や役員報酬を死守するのは、「倫理性を欠いた際限のない蓄財」ではないのか?
今の企業の行動は、「弱者への思いやり」を感じる行いだろうか?

雇用の拡大が社会の繁栄に資する、と言っているが、好況期に雇用を増やすのは当たり前のこと。社会に資する云々よりもまず企業にとって必要だからだろう。雇用が社会に資するとすれば、それが企業にとっての努めだと言うのなら、正しく今のような不況の時にこそ、なされるべきことではないのか?
「税収の拡大」を社会の繁栄に資する、と言っているのには、税率をさんざん下げろと言っておいて、何をかいわんや、だ。

こういうのを、盗っ人たけだけしい、と言うのだろう。

泥棒を捕まえるのは、いい人か?2008/12/28 23:08:39

何か、昨年に引き続き、フジテレビがまた武田邦彦氏をヨイショして、「エコ活動」なんてデタラメだ、とやってましたね。

この武田氏の主張がいかにいい加減かはネットで少し検索すれば分かることですし、番組を見ていたって、その言っている所が論点ズラシでしかないことは明白です。
なのに番組あげて、「エ〜?!」なんて悲鳴上げさせてヨイショしようとしてる。

確かに、今の「エコ活動」はいい加減なところがあるし、政治家や官僚、企業がそこに利権を見出そうとしているのは確かでしょう。
それは厚生省の「メタボ対策」も同じことだと思います。
それ自体は、武田氏の言っていることは正しい。

ですが、だからといって、武田氏の言うことをそのまま鵜呑みにしていいのか?

「泥棒だ!」と言って泥棒を捕まえたものが警察だとは限らない。
そいつも、そのカネを狙っている別の泥棒に過ぎないかも知れない。

ということは考えておいていい、と思います。
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