映画「アーティスト」2012/03/30 01:57:39

これは素晴らしいです!
米アカデミー賞作品賞、監督賞など主要5部門受賞も納得。

この映画が素晴らしいからといって、
だから、サイレント映画は素晴らしい、とは言いません。
現代の映画に凡百の作品があるように、
サイレント時代の映画にも凡百の作品があった筈。

けれど、この、トーキーどころかCG、3D全盛の時代にモノクロ、サイレントで勝負するだけあって、この映画はサイレントの長所を見事に活かしています。

例えば、ジョージと、キノフィルム社と契約したペピーが久しぶりに撮影所の階段で出会うシーン。
二人は色々と話をしますが、何を話しているかは当然、分かりません。字幕も出ない。
だけどここで重要なのは何を話しているかではありません。
久しぶりに出会った二人が互いにもっと関わり合いたいと思っていること、二人にとって今は、話す内容よりも二人で話しているということが大事なのだ、ということです。
これが今のトーキー映画だったら、何を話しているかが当然聞こえ、表現されてしまいます。そして、そのことで却って、このシーンで表現されるべきことが曖昧になってしまうのです。

そしてモノクロの美しさ。
鏡越しの二人の笑顔の美しいこと!

この映画は全編、声がないからこその、見せる表現の豊かさ、モノクロシーンの美しさに溢れています。
掛け値無しで面白い!
モノクロだから、サイレントだから、という理由で退屈することがありません。

そして何より、実はこの映画はサイレント映画ではありません。
サイレントという手法を使った、現代の映画なのです。
その意味は、観てのお楽しみです。

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