「リダクテッド 真実の価値」 ― 2009/01/18 02:17:42
2009年1月17日(土)/シネモンド
★★★★☆(★5つで満点)
製作:2008年度
監督:ブライアン・デ・パルマ
脚本:ブライアン・デ・パルマ
出演:パトリック・キャロル/ロブ・デヴァニー/イジー・ディアス/タイ・ジョーンズ/ケル・オニール /ダニエル・スチュアート・シャーマン
================================
■2007年ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞[最優秀監督賞]受賞
■2007年テルライド映画祭正式出品
■2007年トロント国際映画祭正式出品
■2007年ニューヨーク映画祭正式出品
デ・パルマ監督作品に関わらず、この映画は米国内での上映は殆ど難しいそうだ。
イラク戦争自体には、間違いだった、と認める人も今では増えてきているようだが、それでも、戦争の実態は知りたくない、ということなのだろう。
だが、今現在のことでなく、60年前のことでさえ未だにタブー視され、それにまつわる映画が危うく上映されないままに終わるところだった私たち(の社会)には、そのことを嗤う資格はない。
この映画はイラクで実際にあった実話をもとに作られている。
新兵の一人が撮り続けたビデオや基地内の監視カメラの映像などで綴られた形になっているが、恐らくは実際にもこの事件に関わる者たちが映ったそれらの(全く同じ)映像があるのだろう。
それらの映像を、この映画のように繋いで行けば、実際の事件を描いたようになる。
そういう作りになっているのだと思う。
だからこそ、実話を元にしたフィクション、ではなく、敢えて、ドキュメンタリーの形にしたフィクションにしたのだ。
戦場で、兵士たちがどのようにズタズタにされてゆくか、併映の「アメリカばんざい」で示されている一端が、ここに描かれている。
★★★★☆(★5つで満点)
製作:2008年度
監督:ブライアン・デ・パルマ
脚本:ブライアン・デ・パルマ
出演:パトリック・キャロル/ロブ・デヴァニー/イジー・ディアス/タイ・ジョーンズ/ケル・オニール /ダニエル・スチュアート・シャーマン
================================
■2007年ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞[最優秀監督賞]受賞
■2007年テルライド映画祭正式出品
■2007年トロント国際映画祭正式出品
■2007年ニューヨーク映画祭正式出品
デ・パルマ監督作品に関わらず、この映画は米国内での上映は殆ど難しいそうだ。
イラク戦争自体には、間違いだった、と認める人も今では増えてきているようだが、それでも、戦争の実態は知りたくない、ということなのだろう。
だが、今現在のことでなく、60年前のことでさえ未だにタブー視され、それにまつわる映画が危うく上映されないままに終わるところだった私たち(の社会)には、そのことを嗤う資格はない。
この映画はイラクで実際にあった実話をもとに作られている。
新兵の一人が撮り続けたビデオや基地内の監視カメラの映像などで綴られた形になっているが、恐らくは実際にもこの事件に関わる者たちが映ったそれらの(全く同じ)映像があるのだろう。
それらの映像を、この映画のように繋いで行けば、実際の事件を描いたようになる。
そういう作りになっているのだと思う。
だからこそ、実話を元にしたフィクション、ではなく、敢えて、ドキュメンタリーの形にしたフィクションにしたのだ。
戦場で、兵士たちがどのようにズタズタにされてゆくか、併映の「アメリカばんざい」で示されている一端が、ここに描かれている。
「アメリカばんざい」 ― 2009/01/18 02:27:36
2009年1月17日(土)/シネモンド
★★★★☆(★5つで満点)
製作:2008年度
監督:藤本幸久
脚本:藤本幸久
ドキュメンタリー
================================
アメリカのホームレスの3分の1は帰還兵だという。
遠くはベトナム戦争の帰還兵だ。
ベトナム戦争が終わって間もなく、この戦争によってアメリカが負った傷を、帰還兵の日常を負うことで描いた「ディア・ハンター」が公開された。
その他にもベトナム戦争によってアメリカが負った傷を描いた映画が続き、その影響の深刻さを知ると同時に、それらの映画の記憶が遠ざかるにつれて、それらの問題も解決していったかと思っていた。
だが、それらは何も解決されてなどいなかったのだ。
それどころか、今、そのホームレスに急速に20代の若者が増えてきているという。
イラク戦争からの帰還兵だ。
軍隊に入るということは、様々な技術や資格を身に付け、奨学金を得、次の仕事や大学に行く為のステップ。
そう考えて多くの若者が勧誘によって軍隊に入る。
日本でも、同じように考えて自衛隊に入る者も多いことだろう。
アメリカでは特に貧しい家庭の若者が、これらのステップを利用しようと軍隊に入る。
恐らく、アメリカの後を追ってきている日本もいずれそうなるのだろう。
だが、そんなことは嘘っぱちだと、実際に入隊し、実態を知って除隊した者は言う。
軍隊を出たからといって、何も仕事はない。資格も役に立たない。奨学金も様々な制限があって希望者の半数も得られず、しかも、実際は入隊したことによる奨学金のメリットは何もない。
そして何よりも、軍隊に入ると言うことはそのようなことではないのだ。
突然、何者かに狙撃されるのではないか、どこかに爆弾が仕込まれているのではないか、絶えずそんな恐怖に耐え、戦闘が始まった後には、軍隊での友人、知り合いになったイラク人らの死にショックを受けながら、彼(女)の遺した肉片や脳みそを掃除しなければならない。
彼(女)らは心に深く傷を負って帰ってくる。
もう元の人生には戻れない。
身も心もズタズタになり、使い捨てぞうきんのようになって軍を出る。
日本国憲法が私たちに言っているのは、「死ぬな」ではない、「殺すな」だ、とずっと思ってきた。
だがそれは、単に倫理的な理由によるのではない。
人を殺すことは、自らも殺すということなのだ。
その思いがますます強くなった。
映画の中に、gently angry grand mothersが出てくる。
孫に当たる若者たちが一人でも軍隊に入るのを防ごうと、入隊募集所の前に陣取り、ドアに「CLOSE」の札を貼り、居座るのだ。「We are gently angry grand mothers」と歌いながら。
警察が来て逮捕されても動じない。
「丁寧な対応だったわ」と言いながらまた戻ってくる。
実際に1人でも2人でも、この行動で入隊を防ぐことの出来た若者はいることだろう。
上映後の監督のトークショーの中で、沖縄の米軍基地のことを話していた。
そこの軍曹の恋人が日本人で、その彼女によると、今、新兵たちはかつてなく荒れているそうだ。
彼らは市街戦の訓練をそこで行っている。今、市街戦をやるということは、それはイラクかアフガニスタンへ彼らは派兵される、ということだからだ。
彼らを鎮める為に、軍曹らは休日、バーベキューパーティを開く。そしてビールを次々に飲ませ、基地の外へ出て行かないように気を付けている。
それを聞くだけでも、事態の荒みようが分かる。
★★★★☆(★5つで満点)
製作:2008年度
監督:藤本幸久
脚本:藤本幸久
ドキュメンタリー
================================
アメリカのホームレスの3分の1は帰還兵だという。
遠くはベトナム戦争の帰還兵だ。
ベトナム戦争が終わって間もなく、この戦争によってアメリカが負った傷を、帰還兵の日常を負うことで描いた「ディア・ハンター」が公開された。
その他にもベトナム戦争によってアメリカが負った傷を描いた映画が続き、その影響の深刻さを知ると同時に、それらの映画の記憶が遠ざかるにつれて、それらの問題も解決していったかと思っていた。
だが、それらは何も解決されてなどいなかったのだ。
それどころか、今、そのホームレスに急速に20代の若者が増えてきているという。
イラク戦争からの帰還兵だ。
軍隊に入るということは、様々な技術や資格を身に付け、奨学金を得、次の仕事や大学に行く為のステップ。
そう考えて多くの若者が勧誘によって軍隊に入る。
日本でも、同じように考えて自衛隊に入る者も多いことだろう。
アメリカでは特に貧しい家庭の若者が、これらのステップを利用しようと軍隊に入る。
恐らく、アメリカの後を追ってきている日本もいずれそうなるのだろう。
だが、そんなことは嘘っぱちだと、実際に入隊し、実態を知って除隊した者は言う。
軍隊を出たからといって、何も仕事はない。資格も役に立たない。奨学金も様々な制限があって希望者の半数も得られず、しかも、実際は入隊したことによる奨学金のメリットは何もない。
そして何よりも、軍隊に入ると言うことはそのようなことではないのだ。
突然、何者かに狙撃されるのではないか、どこかに爆弾が仕込まれているのではないか、絶えずそんな恐怖に耐え、戦闘が始まった後には、軍隊での友人、知り合いになったイラク人らの死にショックを受けながら、彼(女)の遺した肉片や脳みそを掃除しなければならない。
彼(女)らは心に深く傷を負って帰ってくる。
もう元の人生には戻れない。
身も心もズタズタになり、使い捨てぞうきんのようになって軍を出る。
日本国憲法が私たちに言っているのは、「死ぬな」ではない、「殺すな」だ、とずっと思ってきた。
だがそれは、単に倫理的な理由によるのではない。
人を殺すことは、自らも殺すということなのだ。
その思いがますます強くなった。
映画の中に、gently angry grand mothersが出てくる。
孫に当たる若者たちが一人でも軍隊に入るのを防ごうと、入隊募集所の前に陣取り、ドアに「CLOSE」の札を貼り、居座るのだ。「We are gently angry grand mothers」と歌いながら。
警察が来て逮捕されても動じない。
「丁寧な対応だったわ」と言いながらまた戻ってくる。
実際に1人でも2人でも、この行動で入隊を防ぐことの出来た若者はいることだろう。
上映後の監督のトークショーの中で、沖縄の米軍基地のことを話していた。
そこの軍曹の恋人が日本人で、その彼女によると、今、新兵たちはかつてなく荒れているそうだ。
彼らは市街戦の訓練をそこで行っている。今、市街戦をやるということは、それはイラクかアフガニスタンへ彼らは派兵される、ということだからだ。
彼らを鎮める為に、軍曹らは休日、バーベキューパーティを開く。そしてビールを次々に飲ませ、基地の外へ出て行かないように気を付けている。
それを聞くだけでも、事態の荒みようが分かる。
最近のコメント