NHKの自主・自律性について、BPOが意見表明2009/05/01 00:17:50

NHKと民放でつくる第三者機関「放送倫理・番組向上機構(BPO)」は、2001年にNHKが製作・放映したシリーズ「戦争をどう裁くか」の4番組中の2回目、従軍慰安婦問題をめぐる「女性国際戦犯法廷」を取り上げた「問われる戦時性暴力」の製作について、NHKが与党政治家(安倍晋三内閣官房副長官(当時)等)の意見を忖度して内容を変更したのではないか、と問題になった件について、意見を表明しました。

この件については、既にBPOの前身であるBRCや裁判において意見表明や結審がされていますが、いずれも、NHKの自主・自律性についてを問題にしたものではありません。
今回、BPOは、裁判などの過程で明らかになってきた事件の経緯を踏まえ、NHKが最も要請されている、番組制作においての自主・自律性に的を絞って議論を行い、意見を表明する必要がある、としたものです。

この手の「○○委員会」の意見表明というのは無味乾燥なものを想像しがちですが、この報告書は全く違います。
この問題は深刻に捉えられ、議論されるべきだという熱意が随所に感じられます。

NHKからの、BPO委員の中に公平性を疑われる人物がいるのではないか、との指摘に対し、「心配ご無用」と回答している件(くだり)などは特に圧巻です。

このシリーズ全体の構成・テーマを捉え、その中から、問題となった2回目の当該番組の不自然さを浮き彫りにし、問題点を深く掘り下げているのは、2005年にこの問題を報道し、視聴者(読者)に知らしめた朝日新聞でさえ、手がけなかった論点です。
(朝日新聞は当の与党政治家とNHKとのタッグを組んだ反撃に腰砕けになってしまいましたが)

今回のBPOの意見表明について、NHKの自主・自律性に疑問有り、とされたその内容を、各新聞は淡々と記事にしていました。
(産経の記事には、敢えて論点をずらそうとする「工夫」が垣間見えますが)

朝日新聞が2005年にこの問題を報道した際、産経新聞はその性質上、「納得」出来るとしても、毎日、読売新聞が朝日に対し他人事のように冷観、批判していたのには、(やはり、という気持ちはありましたが)落胆しました。
今回のBPO意見表明の記事を、どういう思いで淡々と記事にしているのか、聞いてみたい気がします。

BPOの意見表明書は、以下のURLで読むことが出来ます。
http://www.bpo.gr.jp/kensyo/decision/

『グラン・トリノ』2009/05/01 01:00:36

2009年4月29日(水)/福井コロナワールド
★★★★★(★5つで満点)
製作:2008年度
監督:クリント・イーストウッド
脚本:ニック・シェンク
出演:クリント・イーストウッド/ビー・バン/アーニー・ハー/クリストファー・カーリー
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これを満点にせずしてなんとしよう。
今年度、これまでに観た映画の中で、邦画のナンバー1は「ノンコ36歳」、洋画のナンバー1はこれだ。
現代アメリカの老いと、その中に宿っている希望とを謳い上げた傑作だ。


(以下、ネタバレあり)
クリント・イーストウッド演じる人物像が実にいい。
自分のことは全て自分で解決する。
トラブルが起こっても警察など当てにしない。自分の勘で行動する。
仕事と、自分の国に誇りを持ち、息子たちが乗る日本車に悪態をつき、黒人や街に増えてきたアジア人に平気で差別的な言葉を吐く。
てっきり私たちは、この老人を典型的な右翼・保守主義者と思ってしまう。
いい意味でも悪い意味でも。

だが、この老人は、右翼であってもバカではない。
本当に大切なのは肌の色などではない、ということを分かっている。
だから、隣りに越してきたモン族の娘が、知恵もあれば度胸もあると知ると気を許し、彼女の、意気地無しのホワイトのボーイフレンドには容赦ない。

自分がすること、してきたことには自分で責任を持つ。
そのための力を蓄えるよう努力すること。
アメリカが持っていた筈のその「保守精神」を、次に伝えようとした時、そこには肌の色の違う人間しかいなかったというのは、皮肉に見える。

だが、クリント・イーストウッド監督はそうは多分、思っていない。
肌の色など関係ない。そんなものなど包み込んで、自分の足で立つ精神を伝えてゆくのが、アメリカという国なのだ、と、思っている。

そして恐らく、そのためには自らを変える勇気をも、必要なのだ、とも。
だからこそ、自らが背負った罪を若者に負わせない為に、彼はあのラストを選んだのだ。
そしてそこに、これまでの8年間のアメリカに対する、異議も、私は感じてしまう。

今のアメリカという国のありようとこれからを、一人の(白人の)老人と他の人種の若者とを通して描いた傑作だ。
若者がグラン・トリノで走って行った、海沿いの遠い、美しい道のラスト・シーンに、これからのアメリカの希望を見つめたい、という思いが籠められているように感じた。

「人間って、・・・」2009/05/06 00:20:30

「・・・人間って、動物だものね。いとしい人と体を暖め合ったり、唇を合せたりすることで、充足出来るって、本来の姿なのよね。私、今日、ランディに会うの。会ったら、きちんと伝えるの。抱き締めてくれるだけで何もいらないって」
ーー山田詠美『トラッシュ』
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