北陸新幹線の福井延伸「白紙」に2009/11/29 21:25:58

北陸新幹線の金沢から福井方面への延伸について、来年度予算に費用計上が為されず「白紙」になったとのことで、取り敢えずは安心、というところです。


地域新幹線開通と同時に在来線が第三セクタになるという事実が殆どの人に知られていないままで、新幹線開通が地元の声、などと、どのような理由で以て言えるのか、全く不思議でなりません。


11月29日付朝日新聞・福井地方版によれば、

富山県は並行在来線の初年度だけで20億円の赤字を試算しており、石川県も新幹線が開通する富山県境から20キロ区間の赤字を10年間で25億円と試算、運賃を4割程度あげないと採算が取れない、としています。

既に地域新幹線が開通している地域で第三セクタ化している在来線も、大体4割程度の運賃増となっているので、妥当というところかもしれません。


福井県が第三セクタ化した在来線についてどのような試算をしているかは情報を持っていませんが、福井県のQ&A(http://www.pref.fukui.jp/doc/shinkansen/qa/q-a-heizai.html)を見てみると、


将来にわたり安定的な経営が維持できるよう、国等に対し、様々な支援策を要請していく必要があります」


と最初から赤字化を前提にしており、運賃についても


「 運賃については、先行事例をみると、いずれも開業後に値上げされています。
 本県においては、JRの運賃を基本に、利用者負担や会社経営などのでバランスを考慮しながら検討することになります」


と、運賃値上げを否定しない回答となっています。


元々、地域新幹線開通後の在来線については採算が取れないからこそ、JRからの経営分離が認められ、新幹線を「希望する地方」へ押しつけられることとなったのです。


であれば、地方とすれば、

新幹線が開通することのメリットが、在来線の第三セクタ化による赤字を補って余りある(在来線運賃の値上げなど当然不要)ものでなければ、新幹線導入の理由はない筈です。


しかるに、これまで、在来線により予想される赤字には目をつむり、新幹線開通による利益を皮算用するだけで物事が進められてきました。


今の状況で新幹線を福井まで繋いでみても、現在の金沢ー福井間の格差が拡大するだけではないでしょうか?

これまで宿泊客が来ていたのが、新幹線開通により日帰り客ばかりになってしまった、ということも十分考えられます。


新幹線開通に伴う莫大な借金を背負うくらいなら、それだけの金額を用いて、福井県内の観光地としての価値を高めることに使うことの方がよほど重要です。




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