2010年度Cinemaマイベスト102011/01/01 01:45:02

あけましておめでとうございます。


昨年12月30日未明に叔父が亡くなり、慌ただしい年末となってしまいました。

生前、お世話になった叔父でした。


今年の年賀状にコメントが入っていないのはそのためなので、どうかお気になさらずにお願いします。

また、観賞本数が年賀状では「100本」となっているのは、昨年のままになっているのを直し忘れました。

どうもすみません。



<2009年12月~2010年11月 劇場観賞本数85本> 順位. 題名(監督/脚本)


1.『ヒーローショー』(井筒和幸/吉田康弘、羽原大介、井筒) 

今の社会の只中に入ってゆき、返り血を浴びながら撮った作品。今年のBest1は『告白』でも『悪人』でなく、これ!


2.『息もできない』(ヤン・イクチュン/ヤン・イクチュン) 

主人公2人の眼差しを観ているだけで胸が痛くなる。暴力でしか己を表わせない男と、暴力の中で明日を見出せない女子高生が出会う。監督・脚本・主演のヤン・イクチュンが私財を投げ打ってでも作らざるを得なかったのだろう、渾身の1作。


3.『泣きながら生きて』(張麗玲) 

自分が為せなかった学問を、娘には与えてやりたいーー家族と離れ1人、日本に不法滞在の身となりながら上海の娘と妻のために働き続けた夫。15年に亘り家族の姿を追ったドキュメンタリー。元々はフジテレビで放映されたドキュメンタリー。これを観て忘れることが出来なかった一人の大学生が、走り回って劇場公開にこぎつけた。


4.『渇き』(パク・チャヌク/パク・チャヌク、チョン・ソギョン)

新機軸の吸血鬼映画。エロティックさと残酷さを増してゆく二人の描写がスピーディかつ端的でリアル。

キム・オクビン扮する人妻が、冒頭からの幸薄そうな表情からみるみる変わってゆき、恍惚の笑顔を見せるところは最高!


5.『母なる証明』(ポン・ジュノ/パク・ウンギョ、ポン・ジュノ) 

もう、ラストには愕然とします。


6.『瞳の奥の秘密』(ファン・ホセ・カンパネラ/エドゥアルド・サチェリ、ファン・ホセ・カンパネラ)

2010年アカデミー賞最優秀外国語映画賞。これは傑作!

主人公の検事とその女性上司。引退した(元)検事が過去に起こった一つの殺人事件を振り返ってゆく中で、事件の裏にある入り組んだ真相、上司との隠された恋が顕になってくる。脇役のアルコール依存症の助手のキャラクターが見事。


7.『国道20号線』(富田克也/富田克也) 

怖い。ホラー映画ではないのに、現代を抉ってゆくとホラーになる。国道という、今の地方都市を象徴する場を捉えたのが上手い。


8.『おとうと』(山田洋次/山田洋次、平松恵美子) 

一口に社会と言ってもその顕わす容貌は様々だ。

山田洋次監督の作品はその中で、賑やかで華美な社会も、そうではないけれどそれなりに充ちている生活も、そして、ギリギリではあるけれど何とか踏みこたえて生きてゆこうとしている人々も、みなが地続きであること、一つの社会であることを、声高に叫ぶことなく描いてくれる。

それでも、そのスタンスがどこにあるかは明らかで、ギリギリのところで踏ん張っている人たちを観る目は温かい。

何の飾り気もない民間ホスピスの建物の中で、ハープの音色一つで、あれだけの温かさを感じさせる美しいシーンを作ってしまう映画監督を、少なくとも日本の中で、私はこの監督以外に知らない。


9.『キャタピラー』(若松孝二/黒沢久子、出口出) 

監督の気魄が伝わってくる。伝えるとは、描くとはこういうことだ、と。

この描写の上にこそ、第二次大戦での死者6000万人という文字が生きてくる。

何千、何万という人が死んだ惨禍をどんな描写で描くよりも、1人の死、1人の苦悩を、エゴも何も全てを含めて、とことん掘り下げてゆくことが、多くの死や苦痛を表わすことになる。


10.『ポチの告白』(高橋玄/高橋玄)

こういう情報に、もっと皆が触れるべきだと思う。



※これまで観てきた映画の一覧を「映画日誌」として公開しています。

このページの右側にある「サイト」という枠内にある「映画日誌」をクリックして頂けると、リンクを張ってあります。



コメント

_ YUKA ― 2011/01/01 11:47:17

年末に大変でしたね。悲しさもまださめやらぬ頃でしょうが、どうぞお元気で。

今年のベスト10はアジアンで占められましたね。映画からまるっきり遠ざかっている私には、知らないタイトルが並んで???状態です。情けなや。
昨年、欧米はいい作品なかったですか?

_ 時野 ― 2011/01/01 18:08:57

このホームページの右側にある「サイト」という枠に「映画日誌」というページにリンクを張ってあります。
ここに昨年までの観た映画の一覧があるので、良ければ観てみて下さい。
欧米系では『ナイト&デイ』は面白かったですよ。『17歳の肖像』『トイ・ストーリー3』『カールじいさんの空飛ぶ家』『(500)日のサマー』も。『終着駅 トルストイ最後の旅』も意外な拾い物でした。

_ ピナコ ― 2011/01/07 22:53:04

遅くなりましたが、ご愁傷様です。お力落としになりませんように。
私も見ていない作品ばかりです。
見た中では「トイ・ストーリー3」は大安定の傑作だと思いました。
私は見ていませんが、主人も「ナイト&デイ」は楽しかったとのことです。
「キャタピラ-」は随分重い作品だったそうですね。

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