除染に行く前に考えるべき事2013/05/23 01:03:43

これ、どうなんだろう。
福島へ除染に行こう、と若い人たちを誘っているホームページです。

「福島元気祭り 熱き男よ集え!」
http://www.fw-p.jp/josenp/radioactivity.html

自然にも放射線はあるのだから怖がる必要は無い、という常套句で放射能の影響を極力、過小評価しようとして、若い人たちに除染に来るよう誘っています。

曰く、
『放射線とは、太陽から出ている光や紫外線のようなものです』
『放射性物質は、ラジウム温泉の成分であるラジウム等、自然界にも存在します。また、福島の事故で問題となっている放射性物質には、ヨウ素やセシウムなどがあります』

放射線が太陽光のようなもの、とは、上手い言い方かもしれません。
ですが、太陽光と同様に放射線に"当たって"いても、ガンなどになる確率は変わらない、と言うのでしょうか? レトリックによる詐欺まがいの言い方に思えます。

放射性物質は自然界にもある、というのは放射能推進派の人たちの常套句ですが、そこで対象になっているのは、体外にある放射性物質から放たれる放射線が人体に当たる外部被曝のこと。それも当然、怖がるべきですが、本当に怖いのは、その放射性物質の微粒子を体内に吸い込んでしまうことによる体内での被曝、内部被曝です。

古来からある自然界の放射性物質は、体内に取り込んでしまっても、ヒトの長い進化の過程で速やかに体内から排出するようになっています。しかし、人間が新たに作り出した人工の放射性物質(放射性ヨウ素やセシウム137やストロンチウムやプルトニウム等々)には、そんなふうにヒトの体は対応していません。

プルトニウムは地球上で最悪の猛毒物質ですが、外部被曝を考えた時には無視していいような放射能の弱い放射性物質でも、人工の放射性物質は、体内に取り込まれてしまえば排出される事はなく、蓄積されたままになります。そして長期間に亘り、すぐ隣にある正常な細胞に放射線を放射し続けるのです。その時の細胞組織への影響力は外部被曝の比ではありません。
これが、自然界の放射能と人工による放射能との大きな違いです。

どのような種類の放射性物質を取り込んでしまったか、どれだけの量を取り込んだのか、体内のどの部位に取り込んだのか、そのケースバイケースで、内部被曝による発症の態様は様々です。

原爆の爆発に直接、遭わなかったにも関わらず、原爆を落とされた後の広島、長崎に長短に関わらず滞在しただけの人が、その後、急に体調を崩して死亡したり、或いは長期に亘ってガンや大病に苦しんだり、或いは原因不明のまま気力も体力も出ずに体調不良に苦しんでいる、そういう人たちが大勢います。
チェルノブイリ原発事故の後にも、劣化ウラン弾が使用されたイラク戦争の後にも、現地の人たち、そこに従軍した米兵の人たちの中に、同様に苦しんでいる人たちが大勢います。
これらの人たちの症状は、内部被曝によるものと考えなければ説明が付きません。

しかし当然ながら、原爆を使用し、劣化ウラン弾を使用する米国政府や、原発を推進する各国政府、原子力関係の国際組織は、内部被曝の影響を認めようとしません。
認めれば多大な賠償をしなければならなくなり、原爆や劣化ウラン弾を使えなくなり、原発を進めることが出来なくなるからです。

原爆を落とした後、原発事故の後、戦争の後にどれだけの新たな人たちに症状が表れ、苦しんでいようとも、そのの原因が原爆や劣化ウラン弾や原発にあることを彼らは認めません。
曰く、放射能との因果関係は認められない、と。

因果関係が無いという明白な証拠が在る訳ではありません。分からないから、認めない、という「理由」です。分からない、なら、因果関係があるかもしれないのに、またそう考えた方が現実に起きている事象をより良く説明出来るのに、認めないのです。
そんなことがある筈がない。だから、ないのだ、という自己撞着な「論法」で済ませているのです。

彼らが、放射能の影響は無い、と言っているのは外部被曝のことです。(それすらも可能な限り過小に表現していますが)
内部被曝については彼らはハナから影響を認めていないので、何かあっても門前払いをするだけです。


上述のホームページの最後の段には、次のように書かれています。

『活動終了後に起こった病気等、放射線障害等・その他のトラブル等はすべて自己責任となりますので、ご理解の上、お申し込みください。』

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