借金返済モラトリアム2009/10/05 12:32:16

亀井金融相が唱えている借金返済猶予(中小企業や住宅ローン利用者を対象に、元本返済を3年程度猶予)に対しては、借金を返済するのは当然のこと、その猶予を認めるのはモラルハザードに繋がる、という意見も多いようで、私もそうかなぁ、と思っていましたが、
昨日(10月4日)の朝日新聞コラムを読んで、考えが変わりました。

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朝日新聞記事『記者の視点』 20091004
「金融行政の軸足を債務者に」
山田厚史(やまだあつし) be編集グループ

 亀井静香金融相が打ち上げた「借金モラトリアム」は、金融行政の盲点にいる「弱い債務者」に照準を合わせた。貸手である銀行にあった行政の軸足を「金融消費者」に映すのは時代の流れといえる。
 日銀統計によると全国145銀行の中小企業融資残高は7月末で177兆円。統計が始まった2000年10月は229兆円だった。9年で52兆円減っている。どこに流れたのか。国債である。2000年1月は48兆円だった銀行の国債運用はこの7月末で113兆円。65兆円も増加した。
 公的資金を注いだのは「銀行経営を助ける」のではなく「金融システム」を守るためと説明されてきた。産業の血液を毛細血管にまで流す。それが公的資金の大義だった。
 だが銀行は貸し渋り、安全な国債に逃げた。何が起きたか。「倒産件数は毎月1,300件。今年に入って負債100億円以上の倒産の36%は資金手当出来ない黒字倒産です」(友田信男・東京商工リサーチ情報部上席部長)。
 経営判断に委ねれば銀行は身を守るため貸し渋る。政策誘導が必要な局面である。
 銀行が3年ほど元本を据え置くのは無理なことではない。金利が入ることが大事なのだ。法律ができて当局に指示され、経営の自由度が狭められるのはイヤだろう。ならば公的資金とは何だったのか。国が大株主になる「異常」な政策を受け入れたのは銀行自身だった。危なくなった時は「以上」もOKだが、債務者の危機なら関係ない、と言うのは理屈に合わない。
 米国ではサブプライム危機で返済出来なくなった人が住宅から追い出されない政策がとられている。住宅金融公社がローンを安値で買い取り、その価格で低利のローンに切り替えて家主に提供する。元本も金利も安くなる。
 英国では住宅ローンが返済出来ない債務者に最長2年間利払いを延期するなどの支援策が4月から始まった。フランスには返済困難な個人が、地域の調停期間で返済延期や金利減免などが出来る。
 日本ではバブル崩壊のように政策や銀行に問題があった時でも、債務者は「自己責任」が問われ救済されることはなかった。返済猶予や金利減免は「恥ずべきこと」のように言われる。銀行保護に重点を置いた戦後の金融制度が庶民まで洗脳したのだ。だから整理回収機構などがローンを安く買い取っても債務者に恩恵は無い。買い取り額を伏せ、買い取り前の元利を取り立てる回収が横行する。
 銀行主導の提案型融資で債務者に損害が出ても貸手責任は問われない。返済出来なければ翌日から14%の延滞金利が課せられる。銀行優位の官公に零細債務者は泣かされてきた。政権交代は、その力関係を代える高貴なのだ

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_ 元水商売ホステスの大阪アルバイトの求人が… - 2009/11/06 04:00:30

亀井さんは人生で一番大金を人に貸したのはいくらなんだろう・・・1億くらい人に貸したうえで、返済猶予とか言って欲しい。人にお金貸
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