『ブルークリスマス』2009/12/09 03:58:03

監督:岡本喜八 脚本:倉本聰 出演:仲代達矢、勝野洋、竹下景子、岡田裕介、等々
1978年 東宝作品

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『ブルークリスマス』は高校の時に観て、とても面白く、興奮した映画です。

突然、国際会議で物議を醸した宇宙科学者、大河ドラマへ抜擢された新人女優、世界的人気を博す4人組ロックバンド、そして、世界各地で頻繁に現れるUFO。これら複数の話が並行して描かれてゆき、大きな一つのドラマに収れんしてゆくーー
日本映画に余り無いその構成が新鮮で、観ていてワクワクしました。

が、公開後、この映画はさほど話題になることなく、というか、その後、大学へ行っても映画ファンであり続け、映画雑誌や色んな情報に接していた私は、この映画の話題に殆ど接することもなく、何かこの映画は映画界から黙殺されているような雰囲気を感じていました。
そのうち、どうも、この作品は、失敗作、あるいは珍品として評価されているようだ、ということに気付いたのです。(気付くのが遅い?(^^;))

そうだったっけ? あんなに面白かったのに。
ずうっと、そう思い続けて30余年(笑)。ですが、さきほど、ついに、DVDで、30年振りに、見直しました。

なるほど。
確かに、仲代達矢がアメリカを取材して回るシーンは、まるで何を目的に放浪(?)し回っているのか分からず、あの宇多丸さんもどこかで言っていたように、ヘンです。

それに、デモのシーンなど、今となっては表現に時代を感じさせる所があり、そういうところはほのかにこの映画に珍品の趣を漂わせています。
けれど、それらは、倉本聰脚本によるものなのか、基本的にサスペンスのこのドラマのあちこちにちりばめられた叙情的な表現と併せ、この映画の味わいを深くしている、とも感じます。

宇宙人の全く出ない「宇宙侵略もの」。
また、SFと政治情勢を絡めたドラマの作風は、1983年、米テレビドラマ界で大ヒットとなった『V』を先取りしていた、とも言えましょう。

岸田森と天本英世の二人が出ているのにも注目!

そう。やっぱり、面白いです、『ブルークリスマス』!


追記。Wikipediaによると、『V』の新リメーク版が今年の11月にアメリカで放映されたんですって?
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