福島原発事故 国会事故調査委員会 報告書より2012/07/12 21:51:38

先日の「報道ステーション」で古舘キャスターが、是非、「国会事故調査委員会」の報告書を、ネットから読めるので読んでみて欲しい、と言っていました。
数日前から少しづつ読み始めているのですが、
原発を進めてきた電力会社や保安院、原子力安全委員会がいかにデタラメだったかが、改めて分かります。
よくこれで「原発は絶対安全」などと言えてきたものです。

ダイジェスト版から、幾つか特に腹が立った部分を抜粋してみましたが、

本当に怖いのは、
こういう推進者たちの体質が事故後である現在も全く変わっていないように思われること、
そしてその体質のままで、原発が再稼働され始めていることです。

報告書・抜粋(ダイジェスト版より)

《東電と保安院がグルになって、必要な補強工事を無視》
平成 18(2006)年に、耐震基準について安全委員会が旧指針を改訂し、新指針として保安院が、全国の原子力事業者に対して、耐震安全性評価(以下「耐震バック チェック」 という) の実施を求めた。(東電は報告期限を2009年から2016年へと先送りしただけでなく)東電及び保安院は、新指針に適合するためには耐震補 強工事が必要であることを認識していたにもかかわらず、 1 ~ 3 号機については、全く工事を実施していなかった。 保安院は、あくまでも事業者の自主的取り組みであるとし、大幅な遅れを黙認していた。

《安全対策をしなくていい理由を事業者に作文させる》
安全委員会は、平成 5 (1993) 年に、全電源喪失の発生の確率が低いこと、原子力プラントの全交流電源喪失に対する耐久性は十分であるとし、それ以降、長時間にわたる全交流電源喪失を考慮する必要はないとの立場を取ってきたが、当委員会 の調査の中で、この全交流電源喪失の可能性は考えなくてもよいとの理由を事業者に作文させていたことが判明した。

《国際的な安全基準も無視》
当委員会の参考人質疑で、安全委員会が、深層防護(原子力施設の安全対策を多段的に設ける考え 方。IAEA〈国際原子力機関〉では 5 層まで考慮されてい る)について、日本は 5 層のうちの 3 層までしか対応できていないことを認識しながら、黙認してきたことも判 明した。

《責任転嫁、官僚的、規制を骨抜きにする試みを続ける東電》
東電は、エネルギー政策や原子力規制に強い影響力を 行使しながらも自らは矢面に立たず、役所に責任を転嫁する経営を続けてきた。 そのため、東電のガバナンスは、 自律性と責任感が希薄で、官僚的であったが、その一方 で原子力技術に関する情報の格差を武器に、電事連等を介して規制を骨抜きにする試みを続けてきた。

《東電にとってのリスクマネジメント》
その背景には、東電のリスクマネジメントのゆがみを指摘することができる。東電は、シビアアクシデントによって、 周辺住民の健康等に被害を与えること自体をリスクとして 捉えるのではなく、シビアアクシデント対策を立てるに当たって、既設炉を停止したり、訴訟上不利になったりする ことを経営上のリスクとして捉えていた。

《東電が事故直後の混乱の張本人》
東電は、現場の技術者の意向よりも官邸の意向を優先したり、退避に関する相談に際しても、官邸の意向を探 るかのような曖昧な態度に終始したりした。 その意味で、 東電は、官邸の過剰介入や全面撤退との誤解を責めるこ とが許される立場にはなく、むしろそうした混乱を招いた 張本人であった。

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