一千隻の中国漁船はどこへ行ったか?2012/09/29 03:51:45

私たちは感情に流れやすく、本来なら当り前のことを、そう思えなくなってしまう。
そのことに改めて気付き、ゾッとしました。一千隻という中国漁船団の映像を見た時よりも。

朝日新聞の「きょうのテレビ」面に「キュー」というコラムがあります。
9月25日付けのその欄に、島崎今日子氏というライターが書いていたこと。

「五星紅旗をはためかせた一千隻の船が出航する映像を見た時は、ぞっとした。えっ、これが全部、尖閣諸島に向かうのか。(中略)これでは戦争になっちゃうかも。(中略)不安が突き上げてきた。だが、9月18日付の朝日新聞夕刊を読んで、冷静になれた。沖縄県石垣市にある八重山漁協の上原亀一組合長が、この映像に対して、「中国漁船が攻めてくるかのようなイメージを流すのは、日中ともにやめてもらいたい。大半の船は禁漁期が明けたので出漁しているだけだ。毎年の光景なのに」とコメントを寄せていたからである。
 反日デモに参加しているのがごく一部の中国人でしかないことはわかっていても、火が放たれ、物が壊される様子を見ると胸はザワつくものである。ある部分をクローズアップして表現すれば、それがすべてのように視聴者には届いてしまう。(中略)
 私が見た限りでは、テレビで「一千隻の漁船の出航は毎年の風景だ」ときちんと指摘した番組はなかった。報道番組でも、さる専門家は「尖閣諸島に向かった数隻以外の、他の漁船がどこに向かったのかはわかりません」と無責任に言って、勉強不足を露呈していた。
 専門家と呼ばれる人たちの情報が決して正しくないこと、あるいは意図的にゆがめられることもあることは福島原発事故で苦い経験として学んだことだ。クローズアップが過ぎればフレームアップ(でっちあげ)になる。われわれ自身が情報を精査していくしかないことに深いため息が漏れる。」

メディアの隅っこに表れている情報がいかに大切か、改めて感じます。
カウンター 無料SEO対策激安発見オンラインカジノ激安ショップ