新しいiPod touchに思うこと2012/09/14 00:36:28

12日深夜のAppleのイベントで一番重要だったのは、iPhone5ではなく、新しいiPod touchのような気がします。ニコニコ動画で、LIVEでイベント模様を紹介していた司会の女性は、iPod touchの紹介でiPhone5が霞んでしまった気がする、と言っていましたが、私もそう感じました。

ジョブズ復帰後のAppleの凄さは、社会のこれから流れて行く(べき)先を考え、そのための商品やサービスに先手先手を打ってゆけるところにあると思います。
その第一歩が、カラフルなおむすびiMac(笑)での3.5inchFDDの廃止とUSBの採用でした。
そして、
パソコンのあるべき姿としてのデスクトップPCからノートPCへの移行、
音楽のあるべき姿としてのiPod&iTunesの発表、
携帯電話のあるべき姿としてのiPhone、
更に、パソコンという枠をも超えた携帯端末としてのあるべき姿としてのiPad、
とその快進撃は続いています。

新しい商品やサービスへの進出が、これまでのドル箱の商品、市場を侵食することもあるでしょう。
3.5inchFDDの廃止とUSBの採用は当時としては英断と言うべきでしょうし、iPadの市場はノートパソコンのMacBookと直にぶつかるものです。

成功を収めている商品や市場を犠牲にする危険を犯して新たな商品・市場に着手することは、なかなか出来ることではありません。日本のパソコンメーカーの多くが現在抱えてるパソコン市場に囚われ、タブレット端末についてはiPadの後をヨタヨタと追い掛けているに過ぎない状況を見れば、Appleが行っていることの凄さを改めて感じます。
例え今の商品、市場を失っても、社会の行くべき先が分かっており、そこに向けて必要な商品、市場を作って行けば、失ったものを上回るものを得る事が出来る。Appleがやっていることはその見事なまでのお手本です。

で、iPod touchです。
siriが使えるということは、マイクもスピーカーも備えている。
LINEなどで通話をするに際して、従来のようにヘッドセットを必要とすることがない。
これはスマホも含めた携帯電話の先を見た商品と思いました。

現在の携帯電話、スマホはどれも携帯通信会社に縛られています。海外ではSIMフリーの端末も流通しているようですが、それもどこかの携帯通信会社と契約して使用することを前提にしています。
携帯電話の通話料、通信料は、携帯通信会社間の競争が在るにも関わらず高止まりしたままです。まるでカルテルでも存在するかのように。

それに対してLINEやViber、050plusなど、インターネット回線を使用した、無料、定額の通話サービスも台頭してきています。今はまだ品質的に劣っていますが、固定電話においてIP電話やひかり電話の品質が今では遜色ないものになっており、それらへの移行が普通になってきているように、携帯電話においても、インターネット回線を使用したIP電話の品質改善とそれへの移行は時間の問題でしょう。そうなれば現在の携帯通信回線による通話サービスの未来は、今の固定電話と同じかもしれません。

固定電話でのIP電話も050plusも、どちらも050で始まり区別が付かないように、通話サービスも、固定も携帯も関係なく、インターネットを介したコミュニケーションの一部になる。
そしてそのための、現在の携帯電話やスマホの先にあるべき姿としての、インターネット・コミュニケーション・ツールとしてAppleが打ち出してきたのが、今回の新しいiPod touchではないかと思うのです。

考えて見れば、最初から携帯通信会社に関係なくインターネット・コミュニケーション・ツールとして使用出来る端末商品というのは、AppleのiPod touchしかないのです。

「プロメテウスの罠」2011/12/27 00:35:23

12月26日付、朝日新聞の連載記事『プロメテウスの罠』 取材班によるコラム。 

「1984年に初めて手にしたアップルのコンピュータのマニュアルの第1項目が『正しい電源の落とし方』だったことに鼓動が高まった。(中略)未知の物を手にするとは、こういうことなのかと。(中略)人が火を手に入れたときというのは、火を付けられるようになったときではなく、火の後始末を覚えたときではないか。(中略)その意味において人類はまだ原子の『火』を手に入れていない。」 

この連載は、記者クラブに属さない記者が書いている、とわざわざ書いていることにも驚く。

「年明けからは、深刻な事故の状況をはっきり伝えず、心配ないと言い続けた為政者に迫っていきます」 とも。

これまでの記事の中でも、

気象庁の研究所で、研究者が上からの指示に従わず放射線の観測を続けたこと、観測に必要な物資を各地の研究者が密かに融通してくれたこと、
これらのことをこの記事で知った気象庁が 物資を融通した『犯人探し』を始めたこと、 
原発事故数日後の被災地の村で、避難指示も出ていないうちに、白い防護服とマスク姿の男達が車の中から何か棒を突き出して観測らしきことをしていたこと、 

など、知らされていない事実が書かれている。

もっと読まれていい記事だと思う。

「スティーブ・ジョブズ」2011/11/12 21:24:58

これまで、色んな雑誌の記事や本で、スティーブ・ジョブズの人となりの断片を読んできた。
独創性、執拗なまでの集中力、回りの人達を傷付けることも厭わない追い詰め方、エゴイズム。

この本には、その全体像と、それらの事象の先に(奥に)あったことが描かれている。

スティーブのやり方(在り方)の優れた点、批判されるべき点、どちらかに傾いているとは思われない。
著者(ウォルター・アイザックソン)が真っ正面からスティーブに質問し、その答えを聞いた後で、なお、それに対して著者が疑問を呈している箇所もある。
それも、それまでの取材の裏打ちがあるから説得力がある。

「君の本には僕の気に入らないことがたくさん書かれるはずだ」
スティーブが著者に問うた時、著者は、それは間違いないよ、と答えた。
するとスティーブは、「それなら社内で作った社長礼讃本みたいになる心配はないな」と喜んだと言う。
「かっかするのは嫌だから、読むのは1年後くらいかな」と。

   ×   ×   ×   ×   ×   ×

僕がパソコンを買おうと思ったのは、当時、会社で残業続きで、それも違法残業(いわゆるサービス残業)だったから、どうせならパソコンを買って家で仕事をするか、と考えたのがきっかけだった。

それでパソコン関係の雑誌を幾つか読み出したところ、
『人が機械に合わせるのじゃない。機械を人にあわせるんだ』
という言葉に一発で参ってしまった。
アップルのマッキントッシュというパソコンのコンセプトだった。
それまで、アップルコンピュータという会社も、マッキントッシュというパソコンも、全く知らなかったのに。

家で仕事をするためなら、PC98を買う方が正解だ。
だが、僕は、Macが欲しくなっていた。PC98など、もう目の中に無かった。
迷いに迷った挙げ句、マッキントッシュLCIIを買った。
その時には仕事にはすぐには使えなかったが、
後にPowerBook145Bを買った時、Microsoft Excelを同時に買い、会社に持ち込んで、会社のシステムから取り出したデータをExcelで読み込み、データ分析をした。
当時、そんなことをやっていた社員は、そうそういなかったろうと思う。(今ではデータセキュリティ上、出来ないやり方だが)

Macのことを知り、買いたい、と悩んでいた頃、街中や雑誌、書跡の記事などでアップルの文字を見ると、心臓がドクン! と跳ね上がった。
比喩でなく、アップルに、Macに、恋をしていたと思う。

アップルという会社、Macという製品は、そんなユーザと共にあったのだし、その結果が今に繋がっているのだと思う。
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