〈終わりと始まり〉唯一可能な「誠意」とは2012/09/09 22:43:56

朝日新聞2012年9月5日刊より

〈終わりと始まり〉唯一可能な「誠意」とは 
■池澤夏樹(作家)

(前略)
 東電と国は自分たちでどうしようもない災害を引き起こしてしまった。福島県の衰退、多くの人たちの生活基盤の破壊、失われた未来、この先ずっと放射能に脅(おび)えて暮らす不安。そういうことをあなたたちはどうすることもできない。覆水は盆に返らない。
 それならば、せめて同じような事故が決して起こらないよう、すべての原発を調査し、危険率の高いものから速やかに廃炉の手続きを進め、代替エネルギーの開発に力を尽くし、可能なかぎり早く原子力と手を切る算段をすべきではないのか。

 それがあなたがたに可能な唯一の誠意ある態度ではないのか。

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